スーパーエイプマン

裸女と拳銃のスーパーエイプマンのレビュー・感想・評価

裸女と拳銃(1957年製作の映画)
3.5
裸で逃げる女(白木マリ)を匿った新聞記者(水島道太郎)が女の罠にハメられて謎の陰謀に巻き込まれる話。いわゆる清順美学的な、突出して審美的な画面はまだ見られないが、荒唐無稽な脚本でもある程度は面白く見せる職人的な手際の良さを味わうことが出来る佳作。
二面性を持つファム・ファタールの存在や全体的に暗い画面、全体像が見えにくい(バレバレなんだけど)構成などは完全に和製フィルム・ノワールといった趣。終盤、白木マリが見せる突如の転身はその説明責任を果たさない唐突さにブッ飛ばされるし、続けて展開される2対2の銃撃戦は卓越した空間描写でシンプルなカット割りなのだが異様なカッコ良さがある。