Jimmy

深夜の告白のJimmyのレビュー・感想・評価

深夜の告白(1949年製作の映画)
4.0
映画『深夜の告白』…というと、ビリー・ワイルダー監督のサスペンスが有名だが、今回観たのは中川信夫監督による終戦直後の日本を描いた作品。
出演俳優陣が凄い。小沢栄、山根寿子、池部良、月丘千秋、東野英治郎、千田是也、三宅邦子、東山千栄子など。

物語は、第二次世界大戦中に飛行機会社の社長をしていた早川(小沢栄)は、突然失踪した。戦意高揚を掲げて戦争している軍部は、この失踪を許さず、早川に様々な罪状(背任、横領など)を押し付けていた。
戦後、闇市で流行っている店に行った新聞記者(池部良)は、その店の主人を早川と呼ぶが、主人は「自分は早川などという者ではない」と一貫した発言。
真実を探ろうとする新聞記者は、闇市の主人を追跡して、様々な人間関係が明らかになっていき、早川の突然失踪の原因に「家族愛」を感じていく。

<この先、ネタバレ>
早川の突然失踪は、愛する一人息子を戦争で失ったが、息子の戦死は飛行機によるものだった。そんな飛行機を作ることに耐えられずに失踪したのだった。家族愛である。


今回観たのは、日本映画専門チャンネルの『蔵出し名画座』で「未ソフト化作品」の中から厳選されて放映された映画だけあって、本当に面白かった。

中川信夫監督といえば日本映画の怪談ものの第一人者かと思っていたが、こうした家族ドラマも撮っていたとは知らなかった。
なかなか見事な佳作!
Jimmy

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