たかちゃん

深夜の告白のたかちゃんのレビュー・感想・評価

深夜の告白(1949年製作の映画)
3.4
登場人物の行動が全員おかしい。自分の会社が作った飛行機で息子が死んだため、社長業を放り出して失踪。甘ったれんじゃねえ。社員はどうなるんだ。新聞記者が「早川見っけ」と追い回す。放っといてやれよ。そんな報道、だれも必要としないよ。それなのにあっちこっちで言いふらすものだから、おかしな奴が押しかけ、早川さん、病床に就いてしまったじゃないか。孫の存在なんて、知らないままでも良かったのに、自己満足のために孫を連れてきて、早川さんの臨終は後悔させただけなのではないか。知らなければ小さな幸福感は得られたのではなかろうか。新聞記者の行動は正義でもなく、スクープでもない。ベタ記事程度にしかならないのに、余計なことをしてくれたものだ。捉え方によっては、人間の業を描いた恐ろしい作品である。
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