ぽち

城取りのぽちのレビュー・感想・評価

城取り(1965年製作の映画)
3.4
後半の盛り上がりに欠けるのと、ラストの決闘がギャグになってしまっていたのが残念だが、普通に娯楽時代劇として楽しめる作品。

裕次郎が司馬遼太郎に頼み込み書き下ろしてもらっただけあり、基本的なプロットは魅力的で、脚本と監督にもう少し力量があれば黒澤映画と肩を並べる娯楽作となったかもしれないのに、惜しい・・・・

特にラストの一番盛り上がるはずの城主との決闘は、なぜこんな形にしたのか不思議なくらいだ。
いきなり後ろ向きでしゃがみ込み砥石で刀を研ぐって、どういうシチュエーションなのか理解できない。

さて、問題の主役である裕次郎だが想像していたよりは馴染んでいて良かったが、どうしても三船敏郎などの名優と比べたくなってしまう。

刀が軽い。歩き方が現代人。しゃべり方が侍らしくない。等々、素人臭さがあり物足りなさを感じてしまう。

逆に脇を固める面々は、癖がある良い演技で魅力があった。若い時の中村玉緒の清楚な美しさが見どころ。

捻りすぎずにもう少しストレートでも良かったかと思うが、普通に楽しめる作品だろう。


余談。
歩き方がねぇ・・・・・現代人なのよ。

歩くって事は、前方に転びそうになる瞬間に足を出すという行為を繰り返しているんだけど、上半身、特に頭が前に出てバランスを崩して歩くのが普通の現代人で、これが一番スムーズに速く歩ける。

でも、侍は違うのよ!
二昔ぐらい前の学ラン着た不良みたいに、ふんぞり返り気味で、ずっちゃらずっちゃら歩いてくれなきゃ。
三船を見習ってほしいなぁ・・・

話は飛ぶけど、黒人さんの歩き方のカッコよさったらないよね。歩いているだけでビートが聴こえてくるんだもん。
だから日本人のソウルやブラコンもどきはカッコ悪いんだろうな。
ぽち

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