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男はつらいよ 柴又慕情のめるのレビュー・感想・評価

男はつらいよ 柴又慕情(1972年製作の映画)
4.6
「どうして旅に出てっちゃうの?」
「ほら見な。あんな雲になりてえんだよ」


今回のマドンナは吉永小百合。歌子さんはこのあとも登場するのですが、そちらも名作です。

この作品は寅さんのフラれるシーンが素晴らしく、寅さんの中でも屈指の名場面だと思います。
寅さんは悲しい。歌子さんは嬉しい。寅さんと歌子さんはお互いに反対側の星空を見上げる。
寅さんに感情移入をして泣いてしまうし、歌子さんを想っても泣いてしまう。

吉永小百合の泣く演技がものすごく上手い。
とら屋の二階の部屋でさくらに向き合って話を切り出そうとした瞬間の言葉にならない声と表情がすごい。寅さんに話しているうちになぜか泣けてくる演技も自然で素晴らしかった。

もう一つの注目ポイントは、笠智衆の御前様がシリーズの中でも際立って可愛いところですね!何度観ても笑っちゃう愛らしさ!
御前様が寅さんを雇って寺の掃除をさせるのですが、寅さんは遊んでばっかりなので御前様をプンスカと怒らせてしまいます。寅さんと眼鏡をかけた御前様のやり取りと後ろにいる源ちゃんがイイんだよね!
私も聖地巡礼で帝釈天に行ったとき、さすがに渡り廊下を滑ったりはしませんでしたが、心の中では「イエーイ」と源ちゃんのように叫んでいました(笑)


地元がロケ地なんですよ~~!!
お帰り寅さんのパンフにもきちっと載っていて嬉しくてたまらないのですが、はてさてどこでロケしたのかさっぱり分からない。
うちの周り…こんなド田舎じゃないはずなんだけどな(笑)
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