【第26回アカデミー賞 美術賞、衣装デザイン賞ノミネート】
まさかのレビュー一番乗り。監督は『アニーよ銃をとれ』『ショウ・ボート』のジョージ・シドニー。若きエリザベス一世を演じたのはジーン・シモンズ。エリザベスの継母にあたるヘンリー八世の最後の王妃キャサリン・パーをデボラ・カーが演じている。
なかなかの良作だった。宮廷内の美術や衣装が素晴らしいだけでなく、人間関係をしっかり描いており、かつ影を生かした演出などなかなかよい。
ジーン・シモンズ演じるエリザベスの聡明で活発な性格に魅了されてしまうし、なによりエドワードがカワイイ。
シーモア兄弟でエリザベスの想い人であるトマスが善人で兄のネッドが悪人であるような描かれ方だが、歴史的評価では逆のようだ。むしろ弟が兄を陥れようとしていたとみるのが通説のよう。
ただ、本作で描かれたエリザベスとトマスの恋はあったとするのが一般的で、その立場に立つならこの映画のようになるのだろう。
空間を生かしたカメラワークや繊細な心理描写など宮廷もののツボをしっかりとおさえ、かつエリザベスが更に好きになる一本だった。