リラリオ

薔薇の葬列のリラリオのレビュー・感想・評価

薔薇の葬列(1969年製作の映画)
3.8
われは傷口にして刃、
いけにえにして刑吏…
「鏡よ鏡…この世で一番美しい人は誰?」
新宿のゲイバー・ジュネで人気NO.1のエディは、店のママ レダと交際中のオーナー権田と関係を持ってしまう。店を辞めようとするエディに権田は甘く囁く。「レダは必ず辞めさせる。そうしたらオマエがママだ♡」しかし、レダの仕返しを恐れるエディ…。

二人の関係を知り、心中穏やかでないレダは、エディをクビにしろと権田に頼む。レダをなだめる権田「エディはジュネのNO.1だ。アイツがいるから客が来るんだぞ」→不貞腐れるレダ「ふーん…惚れてるなら惚れてるって言えばいいじゃない!卑怯者!それでも男か!」→「バッキャロー!いいか!ハッキリ言っとくがエディを辞めさせるくらいならクビにするのはテメェの方だ!」→「…クビにしたきゃクビにすれば?その代わりアンタが裏で何やってるかバラしてやる!」→その頃、エディは仲間たちとアングラ映画鑑賞→映画終了→「よくわかんねぇ…」→映画上映会は何時しかマリファナパーティーに→乱痴気騒ぎ

エディとレダ、二人の関係は最悪に…。
閉店後、罵詈雑言、取っ組み合いの大喧嘩になる。

過去を思い出すエディ。
幼い頃、家を出ていった父…
父の顔が煙草で焼かれた家族写真…
女手一つで育ててくれた母…
母の情事を見てしまい、母と男を出刃包丁で刺し殺したエディ…

憎悪に満ちたレダはズべ公を使い美しいエディの顔を傷つけようとする→が、失敗→レダの陰謀が見事にバレ、権田の逆鱗に触れる→ジュネをクビになり、捨てられる→レダは絶望し、ウエディングドレス姿で自殺をする。

ネタバレ⚠

権田も店も手に入れたエディ、邪魔者レダがいなくなりご機嫌の権田。
幸せ絶頂の二人だったが…

ある日、一枚の古い写真を見た権田は愕然とする。
それは、父親の顔が煙草で焼かれた家族写真…
エディは権田の息子だった。
エディと自分が親子だと知った権田は、絶望し、浴室で頚動脈を切り自殺する。
そして、すべてを知ったエディは自分の両眼にナイフを突き刺す…。

映画初主演、当時六本木の売れっ子ゴーゴーダンサーだった16歳のピーター、可愛かったな 笑
近親憎悪、呪われた人間の運命。
面白かったが…急に始まるインタビューや芸術が大爆発したわけわからんシーン(ケツに白い薔薇挟んだ男とか 笑)が要所要所にぶち込まれた超アバンギャルドな映画でした。
リラリオ

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