ジョン・スタインベックの同名小説を、『西部戦線異状なし』のルイス・マイルストン監督が演出した、心に残る人間ドラマ。
純粋な子供の心を持っているがゆえに、ジョージのいうことならなんでも素直に聞くレニー。
ジョージも時々、レニーがいなければ気ままに暮らせるのにと考えながらも、まるで弟のように愛情を注ぐ。
このあたりの描写がとても丁寧なので、ラストの悲劇が心に染みる。
『ロッキー』のトレーナー、ミッキー役でおなじみの、バージェス・メレディスがジョージを演じているのですが、ラストの悲しみと安堵感が入り混じった演技が秀逸。
思い出しただけで胸が熱くなります。
前半に張られた伏線が、物語にスリルとサスペンスを与え、ラストで観客の魂ごと持って行ってしまうマイルストン監督の演出はお見事。
とんでもない悲劇なのに、エンド・クレジットでは希望もみせてくれる。
思えば、『真夜中のカーボーイ』や、『レインマン』なんかの先駆けのような作品じゃないかなと思えてきます。