僕が今日死んだら?
…明日死ぬわ…
思春期の青年にとっての母という存在
"こうあって欲しい"という理想とはかけ離れたユベールの母の姿
象徴的なのは度々映し出される食事風景
ユベールも"下品"と嫌がるその食べ方
気になるとなおさら嫌なところが目につく
男女の違いはあれど
私自身の思春期前後の父親に対する感情に置き換えて考えてみると、かなり肯けることが多くて
私の父もユベールの母、シャンタル同様に食べ方どころか生活全般に品がなくて
娘ながらにそれが嫌で仕方ない、そんな時期があった
ユベール自身は、それでも母を愛しているという自覚があり、それ故の葛藤がひたすらに描かれているわけだけれど
果たして私は父を愛していたのだろうか?
…これは、今はもうこの世に父がいないため解けることのない問いとなって私の中に沈んでいる
この映画自体は"若き天才"グザヴィエ・ドランがわずか19歳で監督した驚くべき作品で
その感性溢れる映像、音楽にハッとさせられる
彼の原点であろう作品のテーマが母
いつの世も
親子の絆は断ち難く
だからこそ、その愛と憎しみの表裏に
人は心動かされる
私と父との関係がいつまでも解決しない深い問題であるように
ユベールとシャンタルの間もまた…