くぅー

女帝 エンペラーのくぅーのレビュー・感想・評価

女帝 エンペラー(2006年製作の映画)
3.4
古代中国の五大十国時代なる戦乱期、とある国の皇室内部の野望と復讐の物語・・・あの名作「ハムレット」を大胆にアレンジした展開に、お得意のワイヤー・アクションに、色鮮やかで絢爛な美術等で、まるで絵巻物を見るが如し。

しかし、心理描写が弱く思えたせいか、古典アレンジも今一つ効果的には感じられず・・・工夫の跡は見られたが、さすがにワイヤーも見飽きた感は否めず。

そんなこの邦題も安易で、原題"The Banquet" がしっくり来る内容で・・・愛と欲望が渦巻く血の宴が見所なんですけどね。

そう、チャン・ツィイーは美しく際立って、熱演ぶりも納得・・・も、王妃クラスの存在感はやや欠けるか。
その他のキャストでは、ダニエル・ウーが好演し、グォ・ヨウもベテランらしくきっちり見せる。
さらには、ジョウ・シュンが輝いていたし、ホァン・シャオミンも印象に残った。

そんな訳で、不謹慎にもコン・リーやミシェル・ヨーあたりが主演だったらと、ついつい思ってしまったが・・・最近、この手の時代劇は食傷気味ではあるんだよなぁ。
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