YYamada

デジャヴのYYamadaのレビュー・感想・評価

デジャヴ(2006年製作の映画)
3.9
【タイム・パラドックス佳作選】

◆パラドックス発生の方法
〈ネタバレ防止のため割愛〉

〈見処〉
本作のレビューチェックは
鑑賞後が望ましい。

①ジェリー・ブラッカイマー製作!
 SFサスペンス・アクション。
・『デジャヴ』は、2006年に公開されたアメリカのSF・サスペンス映画。
・本作の舞台は、ルイジアナ州ニューオリンズ。世界三大カーニバルのひとつ、「マルディグラ」の日である、2006年2月28日に、543名もの犠牲者を出す大規模なフェリー爆発事故が発生。現場を捜査した結果、爆発がテロによるもので、爆発現場の近くで発見された女性の死体が、殺人によるものだということも判明したが、死亡推定時刻はフェリー爆発よりも前。
・アメリカ連邦捜査機関ATFのダグ・カーリン(デンゼル・ワシントン)は、FBI特別捜査班から協力要請を受け、政府が極秘で開発した監視システム「スノーホワイト」により、“4日と6時間前”の映像から、クレアの過去を調べ始めるが…。
・本作は『アルマゲドン』『パイレーツ・オブ・カリビアン』などのヒットメーカー、ジェリー・ブラッカイマーが製作を務め、その盟友トニー・スコットが監督を務めるハリウッド大作である。

②ストーリーは「成立」しているか?
・本作では中盤以降、クレアに起こった過去の出来事が次々に掘り出され、事件の全容に迫っていくが、本作の冒頭とラストシーンの相関が成立するのか、全ての鑑賞者は混乱するはずだ。
・あくまで私見であるが、タイムパラドックスを扱う作品群は、以下に3分類されると思う。
【A】未来改変 (または未来固定)
『12モンキーズ』『テネット』など
 ⇒親殺しのパラドックス: あり

【B】並行世界(パラレルワールド)
『アベンジャーズ/エンドゲーム』など
 ⇒親殺しのパラドックス: なし

【C】折衷世界(【A】【B】どっちつかず)
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
 など
 ⇒親殺しのパラドックス: 不明

本作の場合は、どれにあたるのか、鑑賞後に確認されたい。(作中で言及されている)

③結び…本作の見処は?
○:熟考すると容易に矛盾がありそうなシナリオをブラッカイマー&トニー・スコットが力強く(強引に?)作品化。良い意味では多くの余韻を残し、再鑑賞時には「デジャヴ感」を味わえる作品。
○: 本作が初のメジャー作品出演となったポーラ・パットン。往年のハル・ベリーを彷彿とさせ、冒頭の死体でさえも美しい。もっとブレイクして欲しかった女優。
○: 過去世界とパラレルな環境によるカーチェイスや、スーパーシステム「スノーホワイト」など『テネット』に影響を与えたであろう本作はSFファンには必見作品。
×: やっぱり、冒頭場面とラストシーンは繋がらないのでは…既鑑賞者に意見を乞いたい。

浅そうで、実は深海のように深そうに見えるが、やっぱり浅い映画の気がする。
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