KSat

楽日のKSatのレビュー・感想・評価

楽日(2003年製作の映画)
2.1
昔、父親に連れて行ってもらった映画館も、確かにこんなふうに汚かった。中で観る映画は綺麗なのに、いざ扉を開けると汚いのなんの。あれは新宿だったか、横浜だったか...

確かに映画館が閉まる、一番最後の上映がこんなんだったら、そら悲しいわな、とは思うが、いくらなんでも演出があざとすぎて...

野郎ばかり横並びになるホモホモしいトイレの場面とか、跛な映画館の受付嬢とか、面白いところはあるんだけど、長回しがあまりにもあざとすぎ。上映が終わって明かりがついてからの定点長回しとか、言いたいことはわかるんだが...。毒々しい色した大っきな桃饅頭とか、いかにも欧米受けを狙ってる感じが鼻につく。

台詞がほとんどないのも、何だかなあ。観客席にいたオッサンが往年の名優だった、なんて観ていて分かる訳もない。

ラストカットで感傷的な気分になるのも、実は音楽に頼っているだけだったりするし、何だか色々と残念。全体的に、ノスタルジーの押し売り感が強い気もする。

ツァイ・ミンリャンは「それぞれのシネマ」でも、映画館を題材にした短編を撮ってるが、そっちの方がまだ大分良い。
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