猫脳髄

裏窓の猫脳髄のレビュー・感想・評価

裏窓(1954年製作の映画)
4.2
(2022.10.30 再鑑賞)
温故知新鑑賞。足を怪我しているジェームス・スチュワートの視線はそのまま我われ観客の視線となり、限定された視野のなかで起こる事件をスチュワートとともに体験する仕組みになっている。

グレース・ケリーが危機に瀕しても助けに行けないうえに、覗き見している相手が視線に気づいたら逃げようがないのである。レイモンド・バーがこちらを見据えるシーンは、映画館なり自宅なり、「安全な場所」からサスペンスを体験する観客にとってはドキリとする瞬間だろう。

さらに恐るべきは、この映画が全編スタジオセット撮影というところ。隣人たちの日常がシームレスに撮影できるよう、距離感などすべて計算され尽くした緻密さには恐れ入る。
猫脳髄

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