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裏窓のkojikojiのレビュー・感想・評価

裏窓(1954年製作の映画)
3.7
1954年 アメリカ映画 カラー
ヒッチコック40/53

冒険カメラマンが足の骨を骨折して、アパートで療養している。あと1週間でギブスも外せるところまできた。
彼の毎日は退屈だ。それでアパートの窓から向こうの裏窓に映し出される色々な人達の生活を眺めるのが日課になっている。

彼はカメラマンだから、その見方も一般人とは違う。プロなのだ。
この映画のミソは彼の職業にあるのかもしれない。人一番被写体を見る目を持っている。こんな主人公が暇を持て余して観察するから、普通の人に見えないものまで見えてしまう。

ある日、彼のアパートの真前に住むサラリーマンの妻が消えた。忽然と。しかもその妻はずっと寝たっきりで、消える直前にサラリーマンの男と口論をしていた。

男はその後、真夜中に三度外出するなど不審な行動をする。ノコを手にしている姿も見る。
カメラマンは、彼が妻を殺したに違いないと確信する。

人間誰しも心の奥底に潜む好奇心と覗き趣味を、逆手に取ったこの発想だけで、もうストーリーはほぼでき上がったようなものだ。
それに、彼の美人の恋人と好奇心の塊のようなおばさんの家政婦が絡み、友人に警部がいれば完璧な仕上がりになる。
傑作と言われるだけある、完璧な構成だ。
この作品の後、類似作品がどれだけ出てきたろう、やっぱりヒッチコックはすごいのである。

主演のカメラマンはジェームズ・ステュアート。恋人はグレース・ケリー。
言う事なしの配役。ハリウッド黄金期。

今回観て、忘れていたことが一つだけあった。それが非常に新鮮だった。このカメラマンは恋人のグレースケリーとの結婚を嫌がっているのだ。なんと言う馬鹿者だろう!

2023.03.31視聴137
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