Eyesworth

裏窓のEyesworthのレビュー・感想・評価

裏窓(1954年製作の映画)
4.7
【裏窓からしか見えない素顔】

アルフレッド・ヒッチコック監督の名作サスペンス作品。

〈あらすじ〉
骨折して全治7週間の車椅子生活を送っていた雑誌カメラマンのジェフが部屋の裏窓(rear window)から向かいのアパートの景色を覗いている過程でとある住人の殺人に勘づき、独自に調査を進める…。

〈所感〉
動けないジェフ同様この作品は終始彼の部屋とその裏窓から覗ける同じ景色のみで物語が展開されていき、我々視聴者も一緒に同じ世界を覗いているような気分になる。よくこんなセットを作ったもんだ。シャッターを開けば180度簡単に他人から生活が丸見えの構造なので、現代の我々の感覚からするとプライバシーが無防備で敬遠してしまうが、寧ろ当時の人々は隣人の顔が見えて毎朝毎夕と似たような動きを視認することで安心感を得ていたのだろう。今では他の家庭の顔は一切覗けないので新鮮に感じる。 看護士ステラおばさんの言い回しが面白い。グレース・ケリー演じるヒロインのリザは行動力ある美人で素敵。ヒッチコックの構想はいつも画期的で、今作も視点のアイデアの勝利だった。
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