レオ

裏窓のレオのレビュー・感想・評価

裏窓(1954年製作の映画)
4.3
あまり沢山の映画を観たことがなかったからかもしれないが、この作品を鑑賞した時、演出の斬新さに感動を覚えてしまった。普通の映画であれば一つのシーンに流れる人間ドラマは一つであるのだが、この作品は足を骨折した主人公が保有する望遠レンズを通してストーリーが展開していくことから一つのシーンに複数の人間ドラマが展開されており、観る者の興味関心を多岐に渡らせる構成となっている。また、上記のように主人公の望遠レンズ越しにストーリーが展開していくことから主人公と同一の視点を観客に抱かせることに成功しており、観客自身が作品に没入できるようになっている。
足が上手く動かせないという主人公の苦悩も上手に描写されており、古い作品ではありながら古さを微塵も感じさせない作品であったように感じる。
数多くのヒッチコック作品を鑑賞した訳ではないが、個人的にはヒッチコックの作品で一番好きな作品である。
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