始まって数分の手触りとしては例えばホドロフスキーに通じるものも感じたのだが、ホドロフスキーの作風はある意味 力技的な傍若無人テイストを感じるのだけれど、ウルリケ・オッティンガー監督のこの作品はさまざまな物語がコラージュ的に時代設定も変わり続けながら織り混ざっていくのに、そこには緻密に考えられた統一感がある。
絵画や戯曲などでは太古の昔から登場していた異端者・はみ出し者・フリークスの引用を、一本筋の入った監督自身のメッセージを核にサンプリングしているからなのだと思う。
さすが、もともと写真やアートの方面の出身である監督ならではのセンス。
12人のむち打ちレザー隊とブサイク・オブ・ザ・イヤーには思わず吹き出してしまった。