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モーリスのharuのレビュー・感想・評価

モーリス(1987年製作の映画)
4.0
青春の終わり。

20世紀初頭のイギリス。ケンブリッジ大学で出会ったモーリスとクライヴは、やがて互いに恋愛感情を抱くようになる。ところがクライヴの友人が同性愛で逮捕されると、クライヴはモーリスとの関係を終わらせ、アンという女性と結婚してしまう。

ジェームズ・アイヴォリーによる崇高なラブストーリー。個人的に「君の名前で僕を呼んで」より断然コッチ。
同性愛が犯罪とされていた時代、学生時代に出会ったモーリスに自ら愛を告白し青春を謳歌していたクライヴは、卒業後あっさり別の女性と結婚し、社会的地位を確立。しかし「過去は忘れないからね!」「いつでも遊びにきてね!」と、モーリスを手放さない。一方モーリスはそんなクライヴを一途に想い続けます。一見クライヴが都合良すぎでモーリスが可哀想なんですけど、中流家庭出身のモーリスに比べて、上流階級出身のクライヴは失うものが多すぎた。周囲からの期待は大きく、それに対する責任は重いことを、彼は友人の件で気づいてしまったのです。
恐らく10年前に見ていたら、ラストのクライヴの胸中を察することはできなかったと思います。ヒュー・グラントの代表作です。
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