たーぼー

ドラキュラのたーぼーのレビュー・感想・評価

ドラキュラ(1992年製作の映画)
5.0
石岡瑛子に衣装賞のオスカーをもたらした作品
まずラバー製の甲冑を着た伯爵何と言うかエロチックを感じる
これはその後のザ・セルのラバーボディスーツにも繋がる
そしてそれ以外の十二単にも似た服は絢爛豪華
そしてCGに頼らずローテクであるカメラの多重露光や遠近法
そして時代設定が1897年その二年前リュミエール兄弟が世界で初の映画を作ったと言う映画史の原点
であることからコッポラはCGは使わないと宣言し息子のロマンコッポラにカメラ内の特撮を担当させ
伯爵の影がまるで自由意志を持つかのような動きを撮影した
それだけでも見る価値は存分にある
そして古典ホラー映画メインでは無くラブストーリーにして
人は永遠に同じ人を愛せるか?
とテーマで撮られてる
伯爵は妻の投身自殺(これはブラド公の先妻がオスマントルコとの戦いで戦死したと聞かされ塔の上から身投げした事実からこのシーンが撮られてる)
そして映画では神を呪い血を飲んで永遠に生き続けてやると熱心なカトリック信者の伯爵からしてみたら妻を殺したのは神であると逆怨み?からの神への抵抗と復讐を誓い怪物化した

そして特に面白いのがシンクロしてるシーンドラキュラに血を吸われ吸血鬼となったルーシーをあの世に送るため心臓に杭を打ち首を切断これでルーシーは安らかな死を迎えられるとミナとジョナサンに話してる時特大の塊肉(心臓?)のステーキをヘルシングが切り分けてるシーンに移る。ここで思わず笑いが出てしまうコッポラも
売れる前はホラー映画とか撮っているし
B級映画の帝王ことロジャー・コーマンの門下生で低予算で映画を撮る事を叩き込まれた職人気質の監督ならではの恐怖の中の笑いのツボを抑えてると思う
尚ルーカスがTHX1138を商業映画にする時コッポラに色々アドバイスを受けたその繋がりでスピルバーグも大学の講義でコッポラが講師として来た時ルーカスと一緒に講義を受けたと言う意外な繋がりがある
だからかも知れないけどコッポラもスピルバーグも人を怖がらせるけど息抜きに笑わせると言うテクニックは共通してる
サム・ライミとかウェス・クレイヴンもそう

そして全編通してやはりエロスが漂うまぁ吸血自体がエロス的
そして吸血鬼映画には美女を
これはハマープロとかでもやってる
今回はウィノナ・ライダーにモニカ・ベルッチ、サディ・フロスト
等の美人女優を配してるのも豪華さを醸す事に一役買っている

伯爵が狼や蝙蝠に変身するシーンは昔の映画っぽいし
敢えてこの時代に昔の良き怪奇映画を再現した作品