黒羊

戦艦大和の黒羊のレビュー・感想・評価

戦艦大和(1953年製作の映画)
4.3
戦艦大和

8月じゃなくてもちゃんと戦争映画観ようやシリーズ

昭和28年、1953年に作られた我が国初のバトルシップヤマト映画。
もちろんモノクロで音声も悪いよ。でも、いい映画でした。

自分の父親はよくこの映画を観ていたんやろなぁ。「男たちの大和」を観た時に「昔の大和の映画に似てる」と言っていたので。でも長嶋一茂が出てきた時は思いっきり爆笑してたけど!

戦後たったの8年しか経っていないのに、なんて見応えある映画なんやろうか。大和が出る、乗組員の映画は「連合艦隊」が自分の時代的に一番観ているが、これもなかなかの大東亜戦争映画。

乗組員の方の階級やどんな方なのか、もちろん初見で覚える事は難しいけど、なんとなく観ていても、当時の軍人の生活や思想、思いが伝わる。

昔の映画なので、演技力っちゅーかセリフ読んでるだけのような芝居だったりするが、なんやろねぇ。ちゃんと人間ドラマしているし、軍人以外の人にも物語があって、映画の大半を占めるドラマもすんなりと観れた。
自分も年齢を重ねて、昔の映画や歴史に対応出来てきたのか。

戦闘シーンはミニチュア。連合艦隊でも円谷のリアルなミニチュアを使っていたけど、現代のポコスカなCGより味がある、ちゅーか、この時代にここまで出来ているとは思わなかった。

この映画のここは真実、ここはウソ・演出、とか聞いたことあるけど、そんな事は置いておいて、この時代に、どんな気持ちで大和に乗って、死んでいった三千人の方を思うと…なんて言えばいいのか。

戦艦大和自体が時代遅れで、時代遅れって言えば大東亜戦争時の兵隊の銃も思いっきり時代遅れなんやけど、最大最強の戦艦大和が海上特攻に使われた、当時の軍部の無能…とはとても言えないが、本来の力を発揮出来ないまま沈んだ大和は不運やなぁ。

日本映画界は金もないし、ちゃんとした役者もおらんし、大和映画なんて作ろうもんなら左翼や某反日外国とかすぐ文句言うてきそうやけど、いつかまた、その当時の技術で作られた「戦艦大和映画」を観てみたい。語り継がれていって欲しい。
黒羊

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