実直な人柄と仕事ぶりで周囲から慕われている豪商なのだが、生来の顔の痣が原因で女性との良縁に恵まれず。
またも見合いは破談となるも、江戸での取引先との商談の後に吉原へと誘われる。
そこで出会った遊女・玉鶴は主人公の顔の痣を気にせずに接したことで、惚れ込んで行く。
しかし遊女はギラついた野心を隠し持っていて…という話。
B級っぽいタイトルとは裏腹に風格のあるルックで、歌舞伎の演目がベースになっているので間違いなく魅力的な脚本。
純情一途な主人公の想いを強欲な遊郭の主人夫婦と玉鶴が食い物にしていく様に憤るのだが、全てを失う辱めを受けて覚醒する片岡千恵蔵の鬼気迫る演技が凄まじい。
成り上がり、吉原の頂きに立つ太夫となった玉鶴改め八つ橋のお披露目の練り歩きにおける大惨劇は必見中の必見。