悪魔の毒々クチビル

悪魔の毒々モンスター東京へ行くの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

3.9
「すいません!このハンマーヘッドシャーク貸して頂けますか!?」

悪魔の毒々モンスターが父親に会いに東京に行くお話。


トロマのスーパーヒーロー映画の2作目。
何故かヒロインの名前が変わっていたらしいんだけど、前作観たのかなり前だから全然気が付かなかったです。てへぺろ。
ていうかあの姿になってからも普通に喋れたんか。

オープニングからおバカ一直線で、毒々モンスターことメルヴィンの運営する施設を破壊しにやって来た企業アポカリプス社のクセしかない刺客達とのゴアバトルが最高。
そのリムジン何人乗りなん?って突っ込まざるを得ない勢いで、車から次々と変な奴らが出てきて片っ端から肉塊にされていきます。
何故か首を失った刺客二人がダンスしていたんだけど、多分ちゃんとした意味はないです。

因みにその内の一人に、異常にヌンチャク捌きが上手くある程度メルヴィンとも戦えたマッチョな黒人青年がいます。はい、マイケル・ジェイ・ホワイトですね。当時18歳くらいでしょうか。
確かこれがデビュー作ってことで、彼もまたトロマ出身だったとはねぇ。
因みに本人曰く当初はエキストラでしかなかったのですが、何かファイトシーンとかの振り付けとか提言したら結果的にこの役の他に一部のパートで毒々モンスターのスタントダブルをこなしたり、先述した首なしダンサーまでやったそうで裏では地味に活躍していた作品のようです。
途中で「命拾いしたな。これからピアノのお稽古だ!」と言い捨てバーカバーカと言わんばかりのジェスチャーをしてから逃げていく姿が大変コミカルでした。
出番はここだけかと思いきや、その後もアポカリプス社の会議シーンに居たり、住人にお得意の回し蹴りや両足蹴りをぶちかましていました。

いきなりこんなハイテンションバカでこの先持つの?と逆に心配になりましたが、本当に最後までバカで押し通す驚異的な勢いでちょっと疲れるレベル。
週8で通っている精神科の先生に言われ単身東京に向かってからも、珍展開のラッシュで観ているこちらのIQを全力で下げに来ています。

ちゃんと日本でロケしているので、ちょんまげサラリーマン、忍者、カブキマンと言った昭和の日本の風物詩が沢山出てきますよ。
関根勤や安岡力也と言った面子がウルトラバカなノリで登場するのも面白いし、メルヴィンがチンピラの鼻を鯛焼きにしたり人間しゃぶしゃぶにしたりとジャパニーズスタイルで片付けて行く場面もしょうもなくて良いね。刺身一丁!
道中チンピラから救ったお姉さんマサミとの即席コンビも結構好き。何なら今作のヒロインじゃない?
エキストラなのか通行人なのか周りみんなメルヴィンをガン見していて(そりゃそうか)、そのリアクションも何か面白かったししれっと山手線乗ろうとしていたのもウケました。

惜しむらくはバカさはキープ出来ていたのに、ゴアは序盤と比べるとかなり減退してしまった事と東京からまたトロマヴィルに戻ってからの終盤が雑過ぎた事ですかね。
ただまぁ、ノリのバカさは間違いなく楽しいトロマのソレでしたので普通に良かったです。


超余談ですが、マイケル・ジェイ・ホワイトのWikiの出演作一覧に毒々モンスター3もあったけど、そっちは調べても画像とか出ないなぁと思って試しに「マイケル・ジェイ・ホワイト 毒々」で検索したら2番目に俺がこの前挙げた「バトルヒート」のレビューが出てきて笑いました。
確かに俺も毒々だけど。