広島カップ

海峡の広島カップのレビュー・感想・評価

海峡(1982年製作の映画)
2.9
着工から開通まで27年かかった大プロジェクトの青函トンネル工事物語。
様々な人が自分の人生を犠牲にしてこの難工事に携わる様を描く哀しみイッパイの作品。

四畳半フォークの名作"神田川"の南こうせつが担当した音楽は終始悲しいし、効果音はショボくて作品のパワーを削いでいる。何故津軽海峡の海底にゴジラの咆哮が響くのか?この間『ようこそ映画音響の世界へ』(2019)を観て映画における音の役割の重要性を再確認したばかりなので残念な気持ちで一杯です。
トンネル内の風景に金をかけ過ぎてしまい、音の方まで資金が行かなかったかも知れません。本作に限らず邦画は音にかける手間を省いている印象が以前からあります。

アメリカ映画だとこうしたテーマの場合はもっと勇ましい作品になるのではないかと思う。力強いガテン系の男達の勇姿がもっと見られると思うのだが。
工事中の海底トンネルの中は終始海水で水浸しだがもう少しドライな視点も欲しかったと思う。
「津軽海峡冬景色」(石川さゆり)のような哀愁てんこ盛りの青函トンネルの開通でした。
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