しんご

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国のしんごのレビュー・感想・評価

2.5
インディシリーズが大好きなファン目線からもこれは駄作と言わざるを得ない作品。核実験場に迷いこんだインディが爆発と放射能被爆を避けるため冷蔵庫に隠れるという荒唐無稽なシーンは公開元のアメリカで「核の冷蔵庫」というフレーズまで生まれる程に。「新鮮味を失い時代遅れとなったつまらない物」という意味だそうで、まさに本作を象徴するフレーズだ。

ハリソン・フォードは当時66歳なので、劇中でインディに子供がいる設定は分かる。しかし、前作「最後の聖戦」(89)で出てきたヘンリー・ジョーンズ役のショーン・コネリーの存在感があまりに強烈だったから、「親子の対立」という構図で比べるとドラマ的にどうしても劣化していたのは否めない。

また、時代設定が50年代と冷戦下なのでインディ達の敵もソビエト軍と「007」とオーバーラップするのも新鮮味がなかったし、1作目「レイダース」(81)のヒロインであるカレン・アレンを出演させたのも何かファンに媚びすぎな印象を受けた。

極めつけはやはりラストで、あれはインディシリーズでは「禁じ手」に近い展開だと思う。大衆はカレーとラーメンとハーゲンダッツが好きだからと、単純にそれらを1つの鍋にぶち込んで煮込まれた料理を食べさせられたような感じ。複数の人気要素も工夫を凝らさずに提供されるとこんなに心が萎えるんだと実感させられた。

ファンだからもちろん次回作も観るけどね。インディを愛しすぎるが故のレビューでした。
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