Lila

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンのLilaのレビュー・感想・評価

4.8
数え切れないほど繰り返し観ている作品です。映像、テンポ、構成、演技、音楽、完成度的に堪らなくツボです。

色んなシーンをくっきり思い出せるところがスピルバーグの魔法。画角と構成の見せ方が、見やす過ぎて巨匠です。1番最初のオープニングのアニメーションと音楽から釘付け。お父さんとニューヨークの街中で立ってる時の下からのアングル、空港の撮り方、静止画のみの本で読んでも楽しく読める気がします。

ひたすら家族といたい、お父さんとお母さんに元に戻って欲しい、青年の切なき想いだけをベースにしたドラマ性にも乾杯です。

これぞディカプリオの十八番役。人を騙せる知能と美貌もありつつ、繊細で孤独で、お金に翻弄されながら、のし上がっていくのはお手のもの。まあ、17歳って設定はだいぶ無理ありますが、28歳に扮していたのでありとして、これは映画だからいいのだファンタジー感に飲まれておきますw

そのディカプリオを追いかけるトム・ハンクスのサラリーマン感と父性がとても相性良い。スピルバーグタッグの安心感もあり、トム・ハンクス軸があるので、重石となるのが彼の最大の魅力です。

そして、ディカプリオの父親役を演じるクリストファー・ウォーケンが完璧中の完璧で本作品のスターです。アカデミーノミネートは納得!ウォーケン節を期待している人には物足りないかもしれませんが、素敵で、知的で、上品で、でも男としてのプライドや美学もある憧れの存在、ディカプリオが彼の面影を追い続けるのも納得できます。地味にトム・ハンクスとのシーンがあるのもめちゃくちゃ美味しい。

マーティーン・シーンからエイミー・アダムスまでのキャスティングも完璧ですね。

全員ハマり役ですが、ホテルで出会う女性役としてのジェニファー・ガーナーは納得できてません。全然合ってない…誘惑になってない…いまなら、王道にマーゴットロビーあたりでしょうか(それだとウルフと同じかw、まあ内容もほぼウルフなので仕方ないか)

こんな犯罪が出来た時代、サイバー前過ぎて、なんだか恋しいくらいです。しかし勉強熱心過ぎる犯人、頭脳明晰で何でも出来たろうにと思うものの、そんな一度犯罪者となった彼も、家族を持ちながら億稼ぎできる未来を渡せるのがアメリカです。
Lila

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