千年女優

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンの千年女優のレビュー・感想・評価

4.0
実在の詐欺師で現在はセキュリティ・コンサルタントを務めるフランク・アバグネイルの自伝小説『世界をだました男』を原作に、1960年代に航空会社のパイロットや医師らに次々と偽装しては世界各国で小切手を偽造して世界を欺いた天才詐欺師の活躍と、それを執拗に追うFBI捜査官の奮闘を描いたスティーヴン・スピルバーグ監督作品です。

社会の仕組みの隙間を突いて世界を翻弄する主人公の逃走劇といういかにもゼロ年代的エンターテインメントな物語を人気者レオナルド・ディカプリオ主演で描いた2002年公開の大ヒット娯楽映画で、日本ではベースとなる構造がよく似ている漫画『デス・ノート』が本作の翌年の2003年からジャンプに掲載されてこちらも大流行となりました。

どちらの作品にも通じることですが、カリスマ性のある大犯罪者を描くような大仰なものとはせず、あくまで「ませた子供がしかける鬼ごっこ」の枠をはみ出さず、家族関係を掘り下げながら少しのイタさを感じる身近さをコミカルに描いている点が老若男女の誰をも楽しませるキャッチーさに繋がっています。As catchy as you canな一作です。
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