アラカン

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンのアラカンのレビュー・感想・評価

4.0
レオ様の儚げな笑顔が終始美しい。

思春期のピークを急落する家族関係で迎えるフランクjrにとって何よりの優先事項は別々の道へと進んだ家族3人が昔のように再び食卓を囲むこと。そのためならと全米を巻き込むほどの悪知恵を働かせ金を荒稼ぎ。しかし稼げば稼ぐほど顕在化する自身の孤独。家族離散の理由は貧乏で片付けられるものではなかった。そんな中で見つけた本当の愛すらも孤独を脱するために身に纏った嘘で全て崩れてしまう。もう自分の故郷を何処にも見いだせなくなった時ようやく気づく、本当の自分を見極めていた存在に。

うーん、王道だけれど本当にいいお話。
被害者の皆様にはお気の毒にとしか言えないけど、そんな彼がいたからこそ今日のセキュリティはできてるわけですから。フリッツ・ハーバーと同じですね。
本当かどうかは謎に満ちているけれど、知識の素早いインプットから応用したアドリブがすらすらと出てくる脳の能率の良さは大学受験の時に考えた最強の俺感があってかっこよかった。あんな頭良くなりたいし、もうひとつわがままを言うならレオ様の顔になりたい。

1カットの中でダイナミックに動く役者と被写体を急速にスイッチしても画角真ん中に綺麗に収める撮影班のすごさ。スピルバーグ作品のこだわりはやはり素晴らしいなと。緊張の途切れないシーンはなるべくカットを変えず、感情やセリフを孕んだ視線を映す時はなるべくたっぷりと顔面アップ&相手の顔もアップで心理描写を対照させる。んー、大変だ。
アラカン

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