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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ/天地風雲のfieldのレビュー・感想・評価

3.6
シリーズ六作目、諸問題で離れていたリンチェイ版黄飛鴻、再び。ツイハークは制作に回ってる。
リンチェイがハリウッド進出へ向け拠点を移してというのもあるらしいが全編アメリカロケの西部ミーツ黄飛鴻、曲もウェスタン調な男兒當自強。黎明でソーが医学を勉強するという流れを汲んだ形かストーリーは大味だけどこれはこれで新鮮。

布術のドニーさんオマージュの鬼脚も黎明からのアイデアだな。シリーズを観てると命がけの師弟対決もコミカルながら恩返しなのが分かる。最初から鬼脚と一緒なのも嬉しかったがやはりこの役は熊欣欣で無いと。荒くれ者ガンマン相手に足技メインの立ち回りも楽しい。

お得意の傘も出てくる槍使いのインディアンとの戦い、激流で記憶を無くす師匠。拾ってくれた別部族のインディアンを助ける中でも何時もの俊敏な身のこなしが見れる。記憶喪失の過程が必要か怪しい所だが、肌の違いから敵視してたイーグルと信頼を生む過程で打ち出したいメッセージなのだろうな。自分が分からず咄嗟に出る運動神経を不思議がる先住民版黄飛鴻。呼び名はイエロー。

やっと見つけた黄飛鴻と馴れ馴れしい部族の娘に亀裂の生じるイーとの恋愛。フラッシュバックもあっという間だったな。ソーの暮らす町でも中国移民らを人間扱いしない白人町長と結託した銀行強盗犯との対決は、ならず者らしく銃が飛び交い西部劇さながら。師匠に救われた早撃ちビリーの活躍もある。鬼脚伝授の足技デクノボウ。
ボスは足技も使い強敵では無いが中々しぶとい。長い髪で斜に構えピアノを叩く、悪らしい雰囲気は出てる。高台風車での対決も西部という立地を活かしたようなショット。そしてチャイナタウン創設に舞う獅子舞、取って付けたワンチャイ感。
駆けつけたインディアンに肌の色を超えた繋がりを見せつつ忘れたと言い張る師匠の最後の笑顔はイーに向けた優しさのように思う、大味の為どうとでも取れるが。際立ったものが無いながら部分部分では好きなシーンがある。
住民として友情出演が嬉しいリチャード・ン。
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