煙

宗方姉妹の煙のレビュー・感想・評価

宗方姉妹(1950年製作の映画)
4.0
斎藤達雄出番少ない、冒頭のみ。あの教室の感じは『大学を出たけれど』の教室に近い。笠智衆も出番少ないが、全編に渡って存在感ある。苔寺の牡丹。京都、神戸、大森、銀座、箱根。序盤の薬師寺でのシークエンスはロングショットで高峰秀子を映し、珍しく左にパンする。上原謙の店のラストショットが高峰秀子の背中。並んで歩く二人を背後からカメラが移動して追う。山村聰は序盤で眼帯を装着。猫。墓の意味不明。バー、アカシアのI drink upon occasion,sometimes upon no occasion.Don Quixoteは『淑女は何を忘れたか』。終盤、笑う山村聰とその壁にグラスを投げつける高峰秀子が同じ画面におさまる。立っている山村聰が座っている田中絹代を見下ろして平手打ち。四発、のちに三発。衝撃。『淑女は何を忘れたか』でも一発平手打ちしていた。その際、栗島すみ子は立っていた。山村聰が新聞を投げていたが『淑女〜』では栗島すみ子が新聞を投げていた。なんとなく小津が小津をなぞっているよう。新東宝だからか。撮影が厚田雄春ではなく小原譲治だからか。わからない。高峰秀子による徳川夢声の真似とのこと。
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