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ラ・ヴァレのyonemakoのレビュー・感想・評価

ラ・ヴァレ(1972年製作の映画)
4.5
バルベ・シュローデルの長編第2作。監督の妻のビュル・オジェが主演。メルボルン領事夫人の主人公は観光でニューギニアにやってきて、珍しい羽根飾りが欲しくて未踏の地<雲に隠れた谷>を目指す探検隊に同行する。人数は少ないけど探検隊は小さなカルト宗教の教団みたいな趣があり、隊長は最初から少し狂気を帯びており、それが段々にヒロインにも影響を及ぼしていく。

ニューギニアの原住民の部族が出てきて探検隊と交流する祭りのシーンがあり、視覚的にも衝撃的だし、どうやって撮影に持って行ったのかすごく気になる。

探検隊の女性たちは隊長に従っているけど、もう一人いる男性(007の「ユア・アイズ・オンリー」で悪役を演じた英国人俳優)が終盤で述べるセリフが醒めていて文明批評的なのが興味深い。それでも彼も未踏の地を目指す一行にとどまる。

カルト映画といっても色々な作品があるけど、これは正真正銘の王道を行くようなカルト作品だと思う。だいぶ昔に映画館で観ていて今回DVDを借りてきて見返した。

ピンク・フロイドの「雲の影」としてサントラになった音楽もいい。
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