out1

ラ・ヴァレのout1のレビュー・感想・評価

ラ・ヴァレ(1972年製作の映画)
3.5
ヘルツォークに比べると、圧倒的に狂気がなくて、終始バーベット・シュローダーの知性に支配されてしまっているのですよねえ。
ビュル・オジェでいうと、ダニエル・シュミットの『カンヌ映画通り』のような、ウサギの穴に迷い込むアリス感はなく、ビュル・オジェと行くアフリカ旅行のドキュメントという感じ。
舞台設定を大きくしてしまったせいで、シュローダー特有の遊戯性が薄まってしまった。
もっとミニマムにすれば、良かったのかもしれない。
シュミットのようにカンヌに迷い込ますだけで、ビュル・オジェは輝く。

とは言っても、嫌いにはなれないキュートな作品ではあると思う。
out1

out1