義民伝兵衛と蝉時雨

ラ・ヴァレの義民伝兵衛と蝉時雨のレビュー・感想・評価

ラ・ヴァレ(1972年製作の映画)
4.4
ニューギニアの奥地にある未知の谷に楽園を夢見る若者達。自分も憧れる自然回帰。文明とおさらばして地図にも載らない未開のエリアへ。大自然の中での生活。ジャングルで逞しく生きる本物の部族達。しかしそんなのは旅気分で行くから良いもんだ。実際にそこで生活する部族達には文明社会よりも厳しい規則があり、快楽などは無い。想像力が産みだした楽園という名の迷妄。自然回帰というものは名ばかりで結局のところは現実逃避だった。ピンクフロイドの音楽に乗せたヒッピーの終焉。正にニューギニアのホーリーマウンテン。「これは現実ではない映画だ。さぁそれぞれの現実の生活に戻ろう。」。