おさも

ファンタジアのおさものレビュー・感想・評価

ファンタジア(1940年製作の映画)
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ディズニーのセルアニメ見ないからか、フレーム数が多いぬるぬる動く絵がすごいし、動物の体の動きのねじれやたわみがかなり凝ってるなあと思った。音楽を大胆に読み替えるアダプテーションもそれぞれ面白い。

映画の語られ方として、音楽の解釈者である指揮者が世界を創造するものの位置をあてられている。創造者は、神話も科学もその創作物に取り込む、という構図がアナクロニズム感あってすごい面白い。
それは、アニメという新しくて子供向けと受け取られていたであろう表現メディアを芸術的なものとして位置づけようとする気合の現れなのだろう。

後半の頭でサウンドトラックを一つのキャラクターとして登場させているところは自己言及的で面白い。
この映画ははじめてのサラウンド音声で作られた映画らしい。再現芸術の歴史でテクノロジーが進化して新しい体験が提供できるようになった、そういう歴史的視点を映画の中に入れてしまう。それで、テクノロジー的なものと神話的なものが表現の中にがっちゃんこされているのはとてもアメリカ的で、資本主義的で、面白い作品だなぁと感心した。
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