Punisher田中

ファンタジアのPunisher田中のレビュー・感想・評価

ファンタジア(1940年製作の映画)
4.5
クラシック×ディズニーアニメーション!
素晴らしい!ただ素晴らしい!!
これが40年代のアニメーションなのか?!?!
メジャーなクラシックをベースにしているからこそ、ディズニーアニメーションの解釈と合わせてメロディを咀嚼することが出来るの、体験としてはただただ良すぎる。
どれも想像と反した仕上がりで、個人的に大好きなのは「春の祭典」「田園」 だった。
「春の祭典」では生命力を感じる美しく流麗なメロディと共に生命が生まれ出で、その生命の発展から絶滅を描いている。
不穏な雰囲気と生命の息吹を力強く感じる金管楽器の音が非常に生命達の顛末を描くにあたってマッチしていて良かった。
このアニメーションではかなりダークな描写も見られるので、ディズニーアニメーションの描き分けできる幅の広さが窺える。凄すぎる。

「田園」はまさかの...といった想像からは大きく外れたストーリーラインだったのにビックリ。想像もつかない物を提供してくれるアニメーションスタジオなのは既にこの頃からだったのか....
天上に棲む動物達が踊り始めた...かと思えば急に現れるゼウスと他の神々の傍迷惑な悪戯遊び合戦が始まり、少しブラックジョークが潜んだ描写も入っており、メロディとは裏腹に中々黒い作品になっていたのがかなりの驚きをもたらしてくれる。
そして終盤の闇(夜)が訪れるシーンの雄弁さは実に幕引きにふさわしいものに仕上がっていた。
想像を超えた全く新しいものを常々提供し、驚かせてくれるディズニースタジオが持つ創造力の原石を是非体感して欲しい。
スタジオの凄みと現代表現との違いを今作を観て測るのも、また一興の様に思う。
素晴らしい創作が込もった一作。