ペイン

裸のジャングルのペインのレビュー・感想・評価

裸のジャングル(1966年製作の映画)
4.7
ギャスパー・ノエやスコセッシが絶賛し、イーストウッドやメル・ギブソンといったアクション俳優兼監督の先輩格であるコーネル・ワイルド監督・主演によるまさに発掘良品的名作。

『アポカリプト』が如何に本作をなぞっているかは観れば明らか。『アポカリプト』は本作をよりスピーディーな展開と残酷描写増し増しでゼロ年代後半の陰鬱な空気感のようなものも取り込み現代的ブラッシュアップしたものだが、本作はどこか全体にのどかで牧歌的な雰囲気が漂う(※途中何度も挟み込まれる動物🐅たちの日常的なシーンなんかは同時期のグアルティエロ・ヤコペッティ作品や後のニコラス・ローグ『美しき冒険旅行』なんかにも通ずる味わいがある)。

人種間の問題、過酷なサバイバルを描いた作品でありながら、最後の最後にはそれでも“人間の可能性”を信じたくなるような爽やかな余韻。あくまで“最も危険な遊戯(ゲーム)”。実に元スポーツマンらしい監督の映画だ。
ペイン

ペイン