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ケイン号の叛乱のsundayのレビュー・感想・評価

ケイン号の叛乱(1954年製作の映画)
4.0
1943年、第二次世界大戦中のアメリカ海軍。ケイン号と呼ばれる掃海駆逐艦での艦長と乗組員たちの反目。

強権的で小さなことにこだわるクイーグ艦長(ハンフリー・ボガード)、かたや大学を卒業したてのキース少尉、副長のマリク大尉、小説家志望のキーファ大尉、その他乗組員。艦長とのあつれきはたびたび起きたが、台風の中に船が入ったことで、緊張が最高に高まる。あくまで指令どおりの進路をとれという艦長、それでは転覆するというマリク副長。ついにマリク副長は軍の法規にのっとり艦長代行を決行。・・これが軍法会議にかけられ正否を問われる。

この軍法会議のやりとりが見もの。台風のなかの舵取りも緊張があったが、この軍法会議での弁護士と艦長のやりとりも緊張が高まる。

強権的な上司と部下の反目、これは組織ではよくあること。それを台風、軍隊という生命にかかわる場面で描いたことで緊張が一気に高まった。

最後では、確かに艦長は強権的、だがその強権にも何か理由はあるかも、歩み寄ろうとした艦長に、すでにいやけがさしていた部下たちは聞く耳をもたなかった、それが反目を拡大させた、そして傍観者として見ている者がいる、との弁護士の弁。

著者のハーマン・ウォークは1915生まれ。実際に掃海駆逐艦に通信士として乗り組み太平洋戦争に従軍、という経歴。彼の乗った駆逐艦が台風で沈没した時には副官だった、とあるので、実際の体験を基にしているのかも。

原作「The Caine Mutiny」 1951年 ハーマン・ウォーク著


1954アメリカ
2024.4.25BS
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