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パーフェクトブルーのspitfireのレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.2
鬼才・今敏が監督したサイコスリラーアニメ。movixさいたまで見ましたが、都心から離れたさいたま市なら空いてるかと思いきや、席数が少なくしれっと完売しておりました。幸い席数に比してスクリーンは大きめで、没入感をしっかり取れました。ともあれ、根強い今敏人気に驚いた次第です。

アイドルから女優に転身しようとしたところ、限界ドルヲタストーカーの被害を受けてパラノイア的になり、次第に現実と劇中劇と幻覚の区別がつかなくなり…という筋書き。現代にも通用する限界オタクのモチーフにクラクラ来ます。ただ、何より強烈にアニメ向きの題材なのに、アニメでこれを実現しようとする人は少ない。ビジュアルだけなら実写でも出来そうなものを、今敏は幻覚を描くためにアニメという手法を選んだのではないかと、そう思わざるを得ないものがありました。アニメだからこそ出来る名作でした。アイマスU149やスタァライトでふわふわしていた脳味噌には刺戟的すぎる逸品。

というかこの感想を記録している電車の中で、サイコなキレっぷりをしている方をお見受けしてしまい、なんか洒落にならんなぁと溜め息をついてしまいます。いやほんま、みんな冷静になろうね。
無数に向けられるカメラと被写体の非対称性から「Videophobia」のことを思い出していましたが、アニメと実写とで違うアプローチが為されていたなぁと思うなどしていました。
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