カタパルトスープレックス

パーフェクトブルーのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
3.9
今敏監督の長編初監督作品。現実と虚構が入れ替わるミステリー・サスペンスです。

テーマは「現実と虚構の狭間」だと受け取りました。その舞台装置としてのアイドルと女優。

アイドルから女優に転身した霧越未麻(岩男潤子)の周辺で起きる怪事件。犯人はだれなのかという話です。感がいい人だと犯人はすぐ分かってしまうと思います。本作が秀逸なのは演出部分。タイムループ的に日常が繰り返され、何が本当に起きたことで、何がドラマで起きたことなのかが分からなくなる。

作画は当時はとても画期的で、2000年代のマッドハウス躍進のきっかけとなったのがよく分かります。特に後半の逃走劇は秀逸で、今でも十分に通用します。ただ、全体としては経年劣化してる部分は否めません。アニメは技術革新がすごいですから。