このレビューはネタバレを含みます
この頃のアニメって所作に気品があって好き。
25年前のスタッフがどれくらい働いているか分からないけど、
今や永遠に再現されることがない技術だと思う。
連続ドラマで妹役を貰うあたりまでは多分現実のお話。
どこからか、私たちは女優の未麻と一緒に入れ子のように折り重なった幻想の世界に閉じ込められる。
それを内側から一つずつ壊していく作業はかなり楽しい。
未麻とアイドル未麻/ルミちゃんとアイドル未麻は相似している。
未麻とルミちゃんの中それぞれにアイドル未麻の人格が居る。
未麻に嫌がらせをしはじめた元凶はルミちゃん。人を殺したのはmi-mania(内田守)orルミちゃん。
路上で未麻と揉み合っていたのはルミちゃんの体の未麻。
そこで女優である未麻とアイドルとしての未麻が統合され、平穏を取り戻す。
もしもこの作品に決まったストーリーがあるのならこんな感じなんだろうか。
いやでも、これも瞬きをしたら別の世界に乗っ取られてしまいそうな危うい現実だ。
ネオンテトラが死んだのは偶然?生き残ったネオンテトラは何を意味している?ステージに蘇った未麻はルミちゃんではないなら何者?芝居中に未麻がミスをしてテイクを重ねることで夢から醒めるのはなぜ?女優の未麻はmi-maniaを殺していないのか?
この作品の答えを一つに絞ることはナンセンスだ。
それと同時に、角度で見え方が変わる絵(レンチキュラーというらしい)のように、
いつまでも永遠にそのブレを楽しんでいたいような気持ちにさせられる。
明日目が覚めてから他の方のレビューも読んでみようと思うけれど、今日はこのままで眠りたい。