多比良

パーフェクトブルーの多比良のレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.3
アイドルの苦悩と私生活というのは一種のタブーともいえるので、その聖域を覗き見るのはゴシップ的な愉しさがある。(アイドルがSNSやってる時代に、もはや古い見方?)
その意味で、部屋を覗かれていないか主人公が怯えて外を見る場面で、カメラがカーテンの隙間から街の景色へ引いていく描写は、そのまま画面を"覗いている"観客のスクリーンにまで引いてきそうな感じさえする。

エンタメとして飽きさせないようにエログロも織り交ぜられてるとはいえ、この迷路のような構成で劇場公開出来た時代がすごい。

映像が写実寄りなので実写映画でも出来そうという意見は分からなくもないけど、作中では「実写だとそうはならんやろ」という演出が結構あると思う。
それをぎりぎりケレン味のある演出で留めて押し切れるのはアニメーションならではだと思う。

ジャパニメーション万歳🙌
多比良

多比良