Hotさんぴん茶

パーフェクトブルーのHotさんぴん茶のネタバレレビュー・内容・結末

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

■2014/7/22感想
過激で、目を背けたくなるシーンもあった。
しかし、演出やストーリーなど、非常に良く作り込まれていて驚いた。
始終ハラハラ、ドキドキさせられた映画。

■2020/10/18追記
良い意味でダサめなアイドルミュージックが妙に耳に残る。この曲の歌詞とリズムはいかにもアイドル。「ド・キ・ド・キするけど♪❣️」「ワ・ク・ワ・クしちゃうよ♪✨」みたいな…。ハートマークとキラキラマークが満載みたいな曲。楽しくて軽いから、笑えてくる😅。それでなんとなく軽く口ずさんでしまったけど、この映画自体が圧倒的に怖すぎるので、次第にどんな気持ちで歌えばいいのか分からなくなってやめた…笑。
思えばあの、エレベーターの流血シーンでもガンガンに流れていたしね。この歌の雰囲気と現実とのギャップがかなり怖い!

主人公mimaはアイドルだけど、最近ありがちな萌え声じゃないのが、新鮮。可愛いけれど落ち着いた女性の声だった。そしてそれがまたリアルさを高めていた。(普通の等身大の女の子って感じ。)

不気味さとリアルさが絶妙だった。

ラストの方で、偽物の魚がプカーっと浮いていたのはかなり不気味だった。これは現実が崩れ去る瞬間で、本当に絶妙な演出だった。

ストーカーの顔はほぼモンスターみたいな人相で、気味が悪かった。(造形というより表情が崩れ気味でおかしすぎる。)

ミマが出演した成人向け映画みたいなシーンはだいぶ痛々しい。(いくら俳優志望でもこの演技は辛いよな…、自ら選んだとしても気の毒に。)でも悪い男役の役者が意外と紳士的な振る舞いだったのが印象的。俳優の現実ってこうなのかな。

ラストの追いかけっこシーンは、身に迫る恐怖。見ていて、え、一体どうなってんの?理解が追いつかない…笑、となった。(今ここに「笑」なんて書いているけど、見てる時はほんとにゾッとして鳥肌もの。圧倒的なスピード感で、展開についていくのに必死。)
ここではマネージャーが人間とは思えない動きをしていて。人間の潜在能力って恐るべし!にしても、誰か誰かミマを助けてやって!なんで道に人がいないの?(いたっけ。)周りに人がいたとしても、忘れるほどに、この2人に目が釘付けだった。

このシーン、妄想と現実の切り替わりが絶妙すぎた。それで見てるこちらももうパニック!偽物ミマ(=マネージャー)なんて、途中妖精みたいにフワリと浮いたり、跳ねたりした。これが妙に美しいのが、余計に怖い。妙に淡い光を纏っていた気もするし。(怖い→怖い!→面白い→美しい…→怖い!!の無限ループ。短いながら、ジェットコースターみたいなシーンだった。)

ラストは複雑。え、精神病院にいるミマさんはどっちなの?マネージャー?ミマ本人?
一方で車の中でミラーに向かってカメラ目線で「私が本物だよ♪」みたいなこと言ったミマはどっちなの…?本人だとしてわざわざこんなこと言う?そして何故突然カメラ目線?(この映画で初めてカメラ目線だった。)
両方とも鏡を通して見せてるのが、何かヒントな気はするんだけど、定かじゃない。
あと気のせいかもしれないけど、「私が本物だよ♪」の言い方が声が低かった気がするんだよ。(記憶を辿ると。)これは勘ぐりすぎかな?
…モヤモヤする。ある意味これらのシーンがこの映画1、ホラーだったかも。でもこういう解釈が別れそうなラスト、自分は好きだ!

この作品、かなりショッキングであったりグロい面もあるから、心臓には悪かった。
でも複雑な描写と構造でとてもよくできていて、見た後満足感があった。見てよかった!