note

チャイルド・プレイのnoteのネタバレレビュー・内容・結末

チャイルド・プレイ(1988年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

マイク・ノリス刑事に追いつめられた連続殺人鬼チャールズ・リー・レイはオモチャ屋に逃げ込むが、ノリスの銃弾によって息絶える瞬間、傍にあった人形に呪いの言葉をつぶやいた。その時突然稲妻がチャールズの身体をつきぬけ、オモチャ屋は爆発。数日後6歳の誕生日を迎えたアンディに、その人形がプレゼントとして贈られる…。

公開当時、「チャイルド・プレイ」=「子どもの遊び」というタイトルから、「子ども向け?」と勘違いして劇場で見なかった、個人的に痛恨の思い出がある作品。
地上波で良く放送していたものだが、字幕版できちんと見たのは初めてかもしれない。
射殺された凶悪犯の魂が乗り移った人形チャッキーを手にした少年アンディと母親の恐怖の体験を描く、エンタメ・ホラーの秀作である。

アンディの母親カレンはアンディが欲しがっていたグッド・ガイ人形を爆発したオモチャ屋から盗んだホームレスから買う。
ところがその直後から、アンディの子守を引き受けたカレンの親友マギーがアパートの窓から転落死したり、チャールズの仲間が殺されるなど奇怪な事件が相次いだ。
実はその人形こそ殺人鬼チャールズが死の直前まで握りしめていた人形で、人形には彼の魂が乗り移っていたのである。

前半はオカルト風味。
人形に魂が宿って人を襲うなんて到底信じられない出来事であり、チャッキーが動く姿を見せないため、誰が犯人なのか?という展開に。
母親や刑事も「チャッキーが喋る、歩く」というアンディの言葉を信じない。
カメラも殺人者を低い視点を捉え、アンディが犯人なのか?という疑問を抱かせる。
前半のアンディだけが分かる恐怖を描いている部分はミステリー風味もあり、なかなか面白い。

だが、割と早い段階でチャッキーが正体を見せ、展開はスピーディーに。
チャッキーの正体がバレるシーンは秀逸。
カレンが空き箱から電池を発見し、人形に電池が入っているのか?と確かめると、中には電池が無い。
すると突然、人形が動き出し、叫び声をあげるカレン。
この世のものではないと、一瞬で異常事態を悟らせる名シーンだ。

後半は人形が人を襲ってくるという恐怖。
チャッキー人形は完全にモンスター扱い。
一転してモンスター・パニックだ。
やがてマギーの転落死事件の担当がノリスだったこともあり、アンディを守るためカレンは彼と力を合わせ、チャッキーを退治しようとする。
しかし、ずる賢さに長けたチャッキー(殺人鬼チャールズ)は、アンディの身体に呪術で乗り移ろうと、常に先手を打って3人を恐怖に落とし入れる。
間一髪で儀式を止めることができたが、怒り狂ったチャッキーが3人に襲いかかる。

最終的には、チャッキーVSアンディ母&殺人鬼を追いやった刑事との攻防が続けられていく。
だが、小さくてすばしっこいチャッキーを捕らえるのは至難の技で苦戦する3人。
オールバックになってM字の生え際が見えるチャッキーがドアをナイフで粉砕するのは「シャイニング」のオマージュか。
カレンによって暖炉に閉じ込められたチャッキーが炎に包まれてからは、かなりホラー感が出てくる。

真っ黒こげでただれまくった顔で頭や手が千切れても襲ってくるチャッキーの脅威は「ターミネーター」も顔負けのバイオレンス・アクション。
終わったと見せかけて、人間になりかけていた心臓を撃ち抜かれるまで、しつこく襲ってくるとはかなりの執念だ。

グロさもなく恐怖の度合いはそこまでのレベルの作品ではないため、子どもでも見れるホラー映画。
しかし、子どもにとって身近な人形が襲ってくるのは、子どもにトラウマが生まれる恐れあり。
このあとに「トイ・ストーリー」なんか、絶対に見れない。

オカルトにミステリーに、モンスターパニックとてんこ盛り。
CGが無い時代に、人形を使って恐怖を描ききった技術も素晴らしい。
今見てもかなりエンタメ性の高い快作である。
note

note