らんらん

悪坊主侠客伝のらんらんのレビュー・感想・評価

悪坊主侠客伝(1964年製作の映画)
4.5
盲目の坊主鉄心(近衛十四郎)は、過去に北条きく子の父を殺し自分からの光を奪ったヤクザ(須賀不二夫)を探して7年も旅をしてきた
久しぶりに戻った故郷大阪で事件の真相を知った鉄心は仇を討つため九州は飯塚へと旅立つ
それを追う北条きく子と、鉄心に付きまとう死神と名乗る男(東千代之介)、さらには敵対するやくざたち、、、

とにかくラストまで激しかった、近衛十四郎がエキセントリック過ぎる!こんなに騒がしく関西弁で喋りまくる姿も見たことなくてインパクト凄かった
相変わらずの殺陣の上手さ、速さは名人芸、ちょっと眠くなりかけててもその殺陣のシーンの衝撃に何度も目が覚めて、目を見開いて見ていました

負けずに凄いのが東千代之介!長髪の洋装、仕込みのステッキを持ち、常にくわえ煙草な殺し屋
キャラクター濃すぎでしょー!w
こんな風に闇落ちした理由もちゃんと描かれていて、もう一人の主役って言っていいかと

ヒロインの北条きく子も凄い良かったなー、女の悲しさ無力さ、そして強さもよく表現されていたと思う
ラストの「バカーー!」って叫びも印象的

シネマヴェーラ渋谷の任侠映画特集にての鑑賞
これを任侠映画と言っていいのか、、、キャスト的には時代劇時代の方がほとんど
内容はほとんど座頭市に近いと思う、時代的には明治期入ってるけど
作品紹介で近衛十四郎か逆手斬りの考案者ってあるけどホントかいな?w
確かにその剣さばきは凄まじいけど座頭市ほど無敵じゃないのもリアリティあってよかった
いくら無明地獄に堕ちた破戒僧とはいえ大事な人質を取られては手も足も出せず、石投げ攻撃にはなす術なく血みどろだったりと決して無敵じゃないのがいい、だからこその必死さを応援したり共感したり感情移入しやすいと思う

やくざ映画、任侠映画っていうとちょっと違和感、東映版座頭市ってのがまさにぴったりな作品、個人的には満足度高い作品、好きです
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