ねぎ地獄

トムボーイのねぎ地獄のレビュー・感想・評価

トムボーイ(2011年製作の映画)
4.0
🎥あらすじ:
学校の夏休み中、10歳のロールは父、妊娠中の母、そして妹のジャンヌと知り合いが誰にもいない街に引っ越してきます。引っ越してすぐに近所に住む同い年の少女、リザと出会い、名前を聞かれたロールは「ミカエル」と男の子の名前を名乗ってしまう。その日からショートカットで男の子のような装いのロールは、男の子のミカエルとして近所の子供たちに受け入れられ遊ぶように。徐々にリザとの関係も親密になる中、夏休みが終わりを迎えようとしているある日、ロールに大きな問題が立ちはだかることに。

✍️感想とその他メモ:
ジャケが印象的で観ることにした作品。

感想では本作内での主人公の思いを尊重し、あえてロールではなくミカエルと言いたいと思います。
とにかくこのミカエルを演じたゾエ・エランが素晴らしい。見た目が本作の役柄にぴったりというのはもう大々前提にありながら、静かに思いを巡らせている様子が印象的で私の頭から離れません。

全編を通じて特に大事件は起きないのですが、子供なりの大事件もしくは大事件未遂がいくつか起きる。この日常の中に潜む困難がすごく子供の時のリアルな夏休み感だな、、と。
そして性にとても敏感なこの年頃ならではの難しさをミカエルが感じて自分なりに解決しようと、必死で背負う姿がとても苦しい。

後半は本当に悲しく、今もどこかで現実にこういうことが起きているんだろうとうと、ぎゅっと胸が締め付けられるような。。。
多くの人がLGBTQ+への理解が深め「性別なんて関係ない!」と心から言える平等な社会になり、ミカエルのような子供がミカエルらしく生きられたらいいですね。

またこの作品は映像もとても美しく、自然に囲まれて自然体で過ごす子供たちも綺麗。
きっとそういう意図でつくられているわけではないと思うのですが、特に子育てをしている人にみてほしい作品だと思いました。
ねぎ地獄

ねぎ地獄