年末は活動弁士を傾聴した。
顔のでかい片岡千恵蔵の格さんと、粋な阪妻の助さん。
この頃の水戸黄門は印籠を出さない。
印籠を出すようになったのはテレビ放送かららしい。
当初は黄門様自身で出していたのを、顔のアップが欲しいからと杉良太郎演じる助さんが印籠を出した。その際、黄門の腰元から印籠をもぎ取って出しているのが笑う。強奪して「控えおろう～」ってか。

本作では、行列を止めて霊峰富士が拝めるまで道を塞いだ我儘大名を懲らしめる水戸のご老公。権力を権力でねじ伏せる。
次はワザと木っ端役人に捕まって、その木っ端役人を慌てさせる意地悪な光圀。どちらかと言うと、黄門ドッキリを仕掛けてるイタズラ爺だ。
だが最後は米俵の上に座り、百姓のババアに叱られる。お米を大事にする百姓が一番偉い、ありがたいと善人ぶるのである。
勧善懲悪というより、落語の人情話のような水戸黄門でした。

本当は世紀のイケメン、ルドルフ・ヴァレンティノ主演の『黙示録の四騎士』を語りたかったが、長くて退屈でウトウトしてしまったので評価できない💦　オマケの併映作、水戸黄門をＵＰ。

少しだけ書くと、前半はメロドラマ、後半は戦争映画。ヴァレンティノのタンゴが見もの。
アベル・ガンス監督の『戦争と平和』に比べると、映像美は同様に凄いがセリフが大仰な文語調で、弁士の澤登翠さんもやりにくそうだった。
最後に亡霊が現れるところは、『第七天国』に似ている（女性の対応は真逆）。
戦争と女性が絡む話は、三角関係が主で『栄光』『つばさ』『戦争と平和』など、設定が似通るんだなと痛感した。

では、皆さん良いお年を！！

弁士アンチ派

弁士付き