ポルりん

226のポルりんのレビュー・感想・評価

226(1989年製作の映画)
3.5
青年将校が率いる大部隊が起こしたクーデター「226事件」を描いた作品。

基本的に本作は青年将校側にかなり肩入れしており、それは佐野史郎や本木などのキャスティングからも伺える。

全体的には素晴らしく、青年将校側が真剣に国の未来を案じていていたなどの熱い思いが、こちらにビシビシ伝わってくる。
今の腐りきった政治家には是非とも鑑賞し、今一度考えを改めて欲しいもんだ。
このまま国民の事をないがしろに私利私欲に溺れていたら、これに近い事が起きても全然おかしくないぞ!!

まぁ、基本的には素晴らしい作品だと思うのだが、不満な点もある。
決起将校たちが何をどうするつもりで天皇の重臣たちを殺害せねばならなかったのかの描写が全くないのだ。
それだけならまだしも、当時の日本の状況がどれだけヤバイ状態なのかを描いていないので、熱い思いは伝わってくるのだが、いまいち共感がしにくい。

変に長々と説明されても興ざめだが、物語の開始とほぼ同時に将兵たちの作戦行動を始めるのではなく、当時の情勢など国民たちが苦しんでいる姿、そしてそれに苦悩する将兵たちを描いただけで全然違うと思うのだが・・・。
時間の配分があるかもしれないが、それなら終盤の無駄に長すぎる「投降するかの葛藤のシーン」を省けばいい。
これさえ描いていれば、かなりの名作になっていただろうに…
何だかもったいないな。
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