このレビューはネタバレを含みます
ネタバレ
唯々悲哀しかない半ロードムービー
数千万円の借金を背負った男が、癌手術明けの妻を伴い職探しという名の逃避旅を数か月続け、がん再発に苦しむ妻を病院に入院させることもできず車の中で死なせてしまい、結局警察に逮捕されてしまったというお話。
という書き方をすると身も蓋もないけれど・・・
実話ベースであり、その逮捕された当事者が執筆した小説が原作。夫婦の名前もどうやら実名がそのまま役名ともなっている。
小説未読なので映画でどれほど脚色されたか分からないが、ほぼリアル描写と思われる。
実は個人的にあまり希望が持てそうもないあらすじとは知っていても、映画ではロードムービーに伴うある種の爽快感が得られるような演出が施されているかもと期待する部分があった。
しかし、残念ながらその期待は叶わなかったが、リアルな悲哀劇を堪能できたのも一つの収穫。
がん再発で苦しむ妻をあそこで強制的にでも入院させられたらと観ている誰しも思っただろうが、それを嫌がった妻と夫の実際の決断ということであれば、沈痛な気持ちと共に受容するほかない。
三浦友和さんは演技の幅という点では多様というイメージはなく、何を演じてもひげボーボーにしてもハンサム顔の三浦友和!になってしまいがち。
もちろん個人的勝手なイメージに過ぎないが、もし別の役者ならどうなっていただろう? と視聴中に色々思い浮かべてしまった。
石田ゆり子さんは夫依存症的な病弱妻を好演していたと言ってよさそう。
総評二つ星
私だっていつ何時あんな生涯の閉じ方になるかわからない。
であれば、一気に北海道へ向かうか、鹿児島へ向かうか決めておくのも悪くないかもしれないな。笑
012008