糖質亭砂糖金平

白昼の通り魔の糖質亭砂糖金平のレビュー・感想・評価

白昼の通り魔(1966年製作の映画)
5.0
久しぶりに見た。マイベスト。

無償の愛を語る小山明子が打算的な風だし、ボンボンの戸浦六宏は先が見えた事に絶望した甘ったれたナルシスト野郎。
ナル野郎が一人称を、ワタシ、オレ、ボクと使い分ける様がある種の自己陶酔、エリート意識を垣間見てるようで素晴らしい。

あれよと流されて二回も自殺に付き添ってしまうシノは脚本上ではもっと哲学的な役割を持っていたんじゃないか。それがこの川口小枝にかかるととても深く沈んで物事を考える様には見えない。肉体だけが取り柄の田舎者にしか見えない。凄い。しかしそれが良い。
そんな女が言う「また生き残っちまった」には死んだ者に対する心苦しさよりも、ただ強いしぶとさが似合っている。