【キネ旬日本ベストテン1966 第9位】
大島渚作品。関西各地で起きた実際の事件を元にした短編小説が原作。
シノ、英助、先生、源治の四角関係と通り魔事件を時系列を前後しながら語っていく。
英助と源治、先生とシノというそれぞれ正反対な人物設定が非常に象徴的で興味深い。本能と理性、理想と現実、生と死…様々な意味が読み取れる。
激しい切り返しの連なりがもたらす緊張感がとても上手い。特に修学旅行の新幹線の中のシーンなんて『天国と地獄』の身代金受け渡しシーンに匹敵する緊張感と熱量があった。『仮面 ペルソナ』のような二人の女の同化が面白い。
これは好きなタイプの大島渚。