デニロ

白昼の通り魔のデニロのレビュー・感想・評価

白昼の通り魔(1966年製作の映画)
3.0
1975年。学園祭で本作を上映しようとしたらとあるところから、「女性差別」「性の商品化」ではないかと批判を受けた。え、何のこと、と思ったものだが、何とか説明しなくちゃならないと資料等を集めようとしたが、今の様に容易く情報を集めることが出来るわけもなく、緊張の面持ちで上映をしたものだった。それ以前に自主上映会で『胎児が密猟する時』『壁の中の秘事』を上映した前科があるので、その流れで扇情的な題名に感応してくれたものだと思うけれど。その後特に弁明を求められることもなかったが、そもそもクレームを付けた連中は観に来たのだろうか。

と言う訳で44年振りに観たわけだが性の商品化と言われても仕方がないし、川口小夜の下着を剥ぎ取るシーンは彼女の反応を見ると、本人の了解を得ずに行ったのではないかとも思われて女性蔑視にも通じる。

この頃の大島渚作品は理屈っぽくて、しかも何が何だか分からない。1966年キネマ旬報の9位になっているけれどこれを推した人たちは何をかんがえていたんろうと思いつつベスト10を眺めると1位が『白い巨塔』で、観念的な作品だけが好きなわけじゃなかったと分かってホッとする。

1966年製作公開。原作武田泰淳。脚本田村孟 。監督大島渚。
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